massless with Kozue Akimoto

Vol.1

フラットな視点と潔さが織りなす、秋元梢の「かっこよさ」の秘密|masslessインタビュー前編

跳ね上がったキャットアイと艶のある黒髪ストレートヘアといえば、日本を代表するファッションアイコンである秋元梢さんの代名詞。masslessデビューコレクションのモデルを務めた彼女の魅力を探るべく、特別インタビューを2回に分けて公開します。前編ではブランドとの共通点から、凛とした佇まいの理由までお届け!

「massless」は性別や年齢などの境界を越えた、ボーダーレスな世界観をもつブランド。共感する点はありますか?

masslessの世界観は、自分と共通する部分が多く、今回のお話をいただいて嬉しかったです。私は昔から、ダボッとしたシルエットがすきでメンズの服を着ることも多かったんです。

というより、その服がレディースでもメンズでも、何系とかは気にせずに、自分が好きになったもの、気に入ったものを選んで着ています。子供の頃から「女の子はピンク」みたいな風潮に違和感があって、それぞれ好きな色を選べばいいのに、と思っていました。

魂と熱量が込められた、もの作りに惹かれて

そういったファッションに対してのボーダーレスでフラットな視点が、「massless」との大きな共通点なのかもしれませんね。ご自身がブランドやアイテムを選ぶ際、どういった点を気にされていますか?

普段着る洋服で言えば、ここ数年今まで以上に、人として好きな人が作っているか、どんな人がどれだけの情熱を持って作っているのか、やっぱり熱量があるものって着ていてすごく幸せな気持ちになるので、そういう点は大切にしますね。

なので、パリでショーに着ていく衣装も、自分の好みだけでなく、デザイナーの思い、見せ方、着こなし方を考えます。自分だけがよく見えればいいわけではないと思うので。普段なら選ばないアイテムや色でも、フィッティングの時に、これだ!!!と思うものの方が伝わるんじゃないか?と考えたり。自分の中で当たり前のルールですが、そういった想いで決めた衣装を着てショーを見に行くというのが、私の中で大切なことです。

選び方の最優先事項は、「大好きだから」

「massless」はデザイン性の高さだけではなく、リサイクル素材の使用や日本国内生産など自分たちにとっての持続可能な取り組みでも注目されています。ファッション業界におけるサステナビリティに対して、梢さんが思うことは?

一人の力には限界があるけれど、共感できる活動をしている人を見つけて、一緒に活動していくのはいいことだと思います。ファッション界にも、サステナビリティに対して様々な活動をしているブランドがあるので、私個人でなにか積極的に活動をしているわけではないですが、買い物をするときにそんな活動をしているブランドを選ぶことが、小さなことだけど環境に配慮することに繋がるのかなと思います。

あとはやっぱり、今持っているものやこれから買うものを大切に長く使うことが一番大事。私の持っている洋服でも、最初は高く感じても長く使いづつけることで愛着も湧くし、ロスも減らせる。何に価値を見出すかは人それぞれですが、自分は気に入ったものを長く使うようにしています。また、着なくなった服は大切に着てくれる友達にあげることが多いんです。着なくなったから捨てるのではなく、別の誰かに着てもらうこともサステナビリティに繋がるのかなと思います。

老若男女を魅了する、芯のあるアティチュード

インタビューを通しても、潔く、1本筋が通った印象を受けます。この「かっこよさ」はどこからくるのでしょう?

自分に嘘がないようにしたいと思っています。私を好きだと言ってくださる方には、人と違うことに悩んだりしている方も多く、「梢さんを見て、好きなものを好きでいていいと思えて勇気をもらった」と言ってもらうことがあるんですが、そう思ってくれる方たちに、嘘をつきたくないんですよね。

自分が、自分に責任を持つ、難しいけど譲ってはいけないことだと思っています。自分が好きなことを諦めずにやり続けるとそれをかっこいいと思ってくれたり、認めてくれるようになるんじゃないかな。

CREDIT

Model: Kozue Akimoto / Photo: 217..NINA / Styling: Yoko Miyake / Hair: Shotaro(sense of humour) / Makeup: Sada(sense of humour) / Direction & Text: Makiko Oji